only the paranoid survive
「社会に対する復讐だよ、こっちへ来てもそれが力の源だった。2年位前まではそうだった。でも、今は本当に変革のためにやっている。変えるのに内側も外側も関係ない。君はどうしてとりあえず今のところに落ち着いた?」
「分からない。頑張るのも、寂しくてしょうがないから意味が欲しいだけなんだ。正直言って俺がやる仕事は麻酔師みたいなもんさ。麻酔を切らすと患者が痛がるし死ぬかもしれないから、それで治るとは思っていなくてもとりあえず麻酔を打つ。外科医が来て手術をしなければ患者が死ぬぞと言われるんだが、じゃあ麻酔を抜いてもいいのか、患者は即死だぞ、と外科医を脅す。でも、いいことをしているつもりでも本当は自分の存在意義が失われるんじゃないかと不安なんだ。麻酔師という資格がなくなることを。」
「お前は麻酔が上手くなりたいのか?」
「いや、違う。半分は父親との溝を埋める為の選択だったようなものさ。本当によく分からないんだ。」
「分からなくても走りながら考えるしかないんじゃないか?そういうものさ」
“彼”の目にはいつも何かが宿っている。政府だろうが投資銀行だろうが、彼にとっては既存の秩序にぶらさがることにしか見えない。エスタブリッシュメントへのアンチテーゼが、貧しかった過去へのアンチテーゼが、彼を突き動かしていたのに、そして今でも一匹狼的に動いているのに、それが彼をこの社会の一番中枢の所に近づけているのは本当に皮肉だ。
自立(律)した奴のつながりでしか、これからこの世は動かない。そういう奴でも動かせるかは分からない。だから、やるしかないんだ。
by こ
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